昨年、行こうと思っていた展覧会の図録、ここのところ思い切ってまとめて購入しました。
こんなに厳重に丁寧に梱包されて送られてきました↓今回は、公式図録販売の『MARUYODO』さんで購入。
図録、美術館巡りを始めて最初の頃は、重そうだし、値段もそれなりにするので実物を観たから買わなくていいか…と思っていたのですが、昨年、東京国立博物館での「特別展 きものKIMONO」の図録を買って以来すっかり図録ファンになりました。
装丁からして美しい。しかも、監修者の方の愛がめちゃめちゃ伝わってきます。
このクオリティで このお値段って、むしろ他のものと比較して とってもお得過ぎなのでは?!
『上野の森美術館 ゴッホ展』
上野の森美術館で開催されていた『ゴッホ展』の図録は表紙が「糸杉」のものと こちらの「薔薇」から選べます。
表紙は油彩画をイメージしたような質感。
「糸杉」はゴッホの思いが伝わってきて圧倒されてしまって 、「薔薇」の方にしました…。
ゴッホは筆まめでした。ゴッホを思う時、その手紙に、彼は気難しがり屋で癇癪持ちで周りが手を焼いていたのかもしれなくて、彼自身もそんな自分を持て余していたのかもしれないけれど、彼の中にある情熱や仲間を切望している気持ちが溢れていて、とても切なく悲しく、でも温かくなる。胸がいっぱいになる。
こちらの図録は、ゴッホが最愛の弟テオや妹、友人へ送った手紙も載っています。彼の絵が、なぜこんなにもたくさんの人の心を動かすのか。それを体感できる一冊。あ〜ん、美術館へ足を運びたかった。
『特別展 桃山_天下人の100年』
こちらは表紙からして黄金で眩い。実物は迫力あっただろうなぁと想いを馳せる。
屏風に螺鈿、茶器、着物に陣羽織、「これでもか」と言うほど桃山時代の豪華絢爛な品々が出揃っています。ため息が出るほど。
甲冑や刀も。
『特別展「奇才ー江戸絵画の冒険者たちー」』
こちらの表紙はソフトカバー。江戸時代の日本画絵師の絵に、今日、代表的とされる印象派はゴッホなどヨーロッパ絵画の巨匠たちが当時心を動かされ、閃きやその感性に影響を受けている。
ここに出てくる『奇才』たちは、俵屋宗達、尾形光琳、円山応挙、葛飾北斎、歌川国芳、狩野山雪、与謝蕪村、伊藤若冲といったこれまで目にしてきた代表的な絵師だけではなく、日本全国津々浦々、これまで耳にしなかったり目にすることもあまりなかった、しかし「思いがけない表現に表現に冒険的に取り組んだ絵師たち」が紹介されている見どころ満載の作品と解説です。
この展覧会に寄せて、北斎館館長・萬美術屋の安村敏信さんは「奇才の『奇』とは、『めずらしい』、『あやしい』というのではなく、『思いがけない』の意である。つまり人の意表を突く思いがけない表現を試みた絵師たちということだ」と話されている。先の「思いがけない表現に表現に冒険的に取り組んだ絵師たち」も北斎館館長・萬美術屋の安村敏信さんの言葉です。
美濃の出身のゆるーい人物画の仙厓。高井鴻山は妖怪。どう見てもミカンにしか見えない中村芳中の菊。ナスにしか見えない松の木も。そして、カラフルで可愛らしい色使いの「人物花鳥図鑑」。
北斎の男浪・女浪も圧巻です。
心くすぐられたり、迫力満点だったり、江戸絵画の魅力が詰まって、もう溢れ出ている、楽しめる一冊です。
↓『ハマスホイとデンマーク絵画』
特に 子どもや家族を題材にした絵に心があったかくなります。
ヒュッゲ(Hygge)という言葉があるデンマーク。「居心地の良い空間」や「温かく楽しい時間」のことだそうです。
ヴィゴ・ピーダスン、ピーダ・イルステズが描いている女の子、19世紀末の作品なのに今だって全く変わらない。子どもを見つめる温かな視線。ヴィゴ・ヨハンスンの〈きよしこの夜〉もツリーの灯火の暖かさ、明かりがツリーを囲んでいる子どもたちの顔を照らし、部屋の壁にツリーの影が。もう歌声や話し声まで聞こえてきそうなこの作品も見たい時にいつでも見られて嬉しい。しかし、実物を見たかったなあ。
【知らなかった!「図録」とは「本」ではないらしい】
何と、「図録」とは書籍とは違う分類になるそうです。
清須市はるひ美術館館長さんのブログが分かりやすくて面白かったです。
図録の場合は、書籍ではなく展覧会の記録という特殊な枠組みにあり、展覧会出品作のみ著作権料なしである。従って、書籍に比べて破格の売価とすることができる。
清須市はるひ美術館館長さんのブログ
なるほどー!