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『知足安分』無用の用「全然役に立たないもの」が心の救いになる

「ゲゲゲの女房」テレビ放送は観ていなかったのですが、水木しげるさんの生き方を知って、その人生をそばで過ごした布枝さんのことを知りたいと思いました。

『ゲゲゲの女房』も面白く読めましたが、武良布枝さんと『女性の品格』の著者である坂東眞理子さんの『ゲゲゲの女房と品格の母が語る 知足安分』、ステキに年齢を重ねられたお二人の対談には諭されるところもありました。

水木さんもユーモア溢れる方だったそうですが、布枝さんも、水木さんのユーモアをフォローしたり、それ以上に交わし合えるユーモアのセンスのある女性。結婚50周年の〈金婚式〉にあたって、坂東さんから「おめでとうございます」とお祝いの言葉を贈られた時の布枝さんの返しが、明るくてユーモアいっぱい。

ありがとうございます。まあ、主人は傍目から見れば変わっていると思います。そんな人間と連れ添って50年にもなる私も変人の類ですよ(笑)。

『ゲゲゲの女房と品格の母が語る 知足安分』武良布枝さん談

特に「仕事上」などでは「効率優先」とされることが多いのですが、全然役に立たないけども、好きなことってありますか?そしてそのことを大切にしていますか?

この本は、お二人の対談、そして読者の方からの相談にお二人がそれぞれに答えるという内容でした。坂東さんがお答えになられた箇所が印象的に残りました。

自分が好きなもの、中でも全然役に立たないものが心の救いになるというんでしょうか。嫌なことをいくら考えたって解決できないわけですから、それはちょっと横に置いて、忘れるためには別の好きなことをやっているのが一番いいかなという気がします。するとね、そのときはすごく大変でカッカしていたのが、しばらくして見直してみると、まあ、大したことないやという気持ちになるんですね。

『ゲゲゲの女房と品格の母が語る 知足安分』坂東眞里子さん談

とことん解決しようとしないで、距離を置くようにしています。本業とは違う趣味や余技を持っている人ほど、仕事もできると思います。仕事のことしか知らないと、問題に直面したときに逃げ場がないから気分転換ができないんですね。それから、たとえば取引先での雑談時に共通の関心を発見して親しくなったり趣味の話が労使間の潤滑油になったり、実務的な知識や能力とは関係のない無用の用が役に立つこともありますからね。

『ゲゲゲの女房と品格の母が語る 知足安分』坂東眞里子さん談

あまりに効率よく動こうとしたり、自分に効率を課したり、そうするとムダなことを嫌ったり、無駄を無くそうとしたり、するとつい周りにもそう求めてしまうようになったりして、それを自分で気づかなくなってしまうことも。そうなるといつの間にか自分も周りも苦しくなってしまっている、という。そういう時期もあって、ハッとなったことがある。

きっと『無用の用』を知っていたら、自分もそれを持っていたら、周りの人の『無用の用』も大切に、尊重できるかも知れない。

そのことって多分しあわせと感じるには必要なことなのだ。きっと、「排除」という考えが自分の中に少しでも減るなら。

頑なではなく、柔らかく生きること、受け入れること、歩み寄ることも、穏やかに生きられるコツなのだ。これは年齢を重ねていくことで、上手にすり合わせができるようになっていくのかも知れないなと思う。

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知足安分―ゲゲゲの女房と品格の母が語る
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「その後」のゲゲゲの女房

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