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東京都美術館(とびかん)・とびラーによる建築ツアーに参加しました

「東京を楽しむ」のに、出費に負担のない金額や無料で参加できるものを探していたら見つけた。

申し込みしていた上野・東京都美術館の『とびラーによる建築ツアー』、当選のお知らせが届きました。

【参加してみて】

楽しかったのはもちろんのこと、とびラーの方々のトビカン愛・美術・建築愛、そしてトビカンに関わった方々の愛に触れ、私も更にトビカンへの愛が深まりました。

親しみを込めて「トビカン」と呼ばれる東京都美術館は、JR上野駅公園口から直進して、上野動物園入口の右隣に位置します。

特徴は赤レンガ(本当はタイルだった!)の建物と、球体のオブジェが印象的。建物入口はエスカレーターで下って地下から。

建物入ってすぐ目の前がミュージアムショップで、氣楽に入れるところもトビカンが好きな理由の一つ。

【とびラーによる建築ツアー】

時間の案内は14:00〜14:45頃。受付開始は15分前の13:45〜。

集合場所:東京都美術館 交流棟2階 アートスタディルーム

※ロビー階エントランス付近に待機しているとびラーが、集合場所をご案内します。

とのこと。

〈13:45〉頃、ロビー階エントランスへ到着。待機しているとびラーの方にご案内いただき、エレベーターで2階に上がり、アートスタディルームへ。その前に100円が返却されるタイプのコインロッカーがあったので持ち運ぶ必要のないものを預けて、受付へ。※アートスタディルームへは戻って来ないため、ロッカーに荷物を預けるなら、公募棟企画展示室入口前のロッカーに預けた方が時間と労力のロスがないかも。

全部で7チーム。各チーム約4人ずつ。

担当のとびラーさんは2名。

コロナ対策のため、建築の説明はワイヤレス無線機を通してになっていて、受信機とイヤホンの使い方の説明があり、それぞれちょっとした自己紹介をして、いざ出発。

〈レンガだと思っていたのはタイルだった!〉

まずは外観から。

ところどころ、クイズが出ます。

「扉の取手は何でできているでしょうか?」とか。

そして、象徴的な赤レンガだと思っていたこれは、なんと、タイルを使っているのだそう!

ここでもクイズ。この穴は何でしょう?

ホントだ!よく見ると穴が!これまで何度も目にしていたのに氣がつかなかった!

これは、「打込みタイル」という工法の証。

設計した前川國男さんは、東京帝国大学工学部建築学科を卒業したその日にパリへ渡り、同じ上野公園にある国立西洋美術館の設計を手掛けたル・コルビュジエの建築事務所に入所しています。そのル・コルビュジエが建築にあたって最も大切にしていた思い、それは、建築される建物だけではなく、その前の建物に入る前の空間から視野に入れて、広場を中心とすること。その広場のことをエスプラナードと呼びます。エスプラナードで人が自由に行きかい、そこで人が出会うのです。国立西洋美術館も今年2022の春に当初のル・コルビュジエの意図を尊重した前庭に生まれ変わり、リニューアルオープンしました。

この東京都美術館でも、いきなり建物に入るのではなく、散策しながら自然と建物に入っていくような、建物に入るまでにも楽しみがあるような造りになっているのです。

門を抜けると、建物入口に続く下りエスカレーター手前の球体のオブジェが一番先に目に入るのですが、その他にも野外彫刻が並んでいます(今まで目に入っていなかった…)。

天井はアーチになっていて、証明も前川さんこだわりの照明。

表面のざらざらした質感も「斫(はつ)り工法」という職人さんの技によるもの。

天井は「かまぼこ天井」。こちらにも工法の工夫がなされています。ピンク色の温かみのある色合いはインド砂岩を使うことによって創り出しています。

前川さんのお人柄も知りました。グルメで、おしゃれ。仕事中には鼻歌を。その鼻歌はオペラだったり。また、壁の色など、希望の色を言葉で伝える人でした。例えば「凍えた女性の唇の色」とか。面白い人ですね。

〈公募展示室の方へ移動〉

これも、今まではっきりと意識してはいなかったですが、公募展示室のある建物はちょっとずつ、ズラして建っています。雁行配置と呼ばれ、日当たりを塞がない、視界を遮らないように考えられています。

それぞれ、壁の色で今自分がどこにいるのかも分かります。

これらのカラフルな椅子も前川さんデザインによるもの。

このツアーで一番心打たれ、印象に残ったのは、よ〜く見ると椅子の脚に継ぎ目があって、これは、開館当初より日本人の脚が伸びた?ので、ちょっと椅子を高くしたそうです。その時に、当時の椅子を残して高くする分だけを継ぎ足したそうです。

当時の椅子と、その後購入された椅子、企画展示室前の椅子は両方ありました。

同じ上野公園内の「東京文化会館」も前田さんの設計。東京文化会館の方が先に設計されたものです。足元のタイル、雰囲氣が似ていますよね。

公募展示室側から企画展示室側を臨んだところ。左側の銀杏の木はここに東京都美術館が建てられる前から立っていて、この銀杏も建物に馴染むように設計されたそうです。

建物入口の下りエスカレーターの前からは、この写真左側のレストランが正面に見えます。

前川さんはグルメな人で、レストランが正面に来るように考えられているそうです。

〈アートスタディルーム〉

アートスタディルームの存在、知らなかった。

こちらの椅子もテーブルもこだわりのあるもの。

〈東京都美術館の前身・東京府美術館の模型〉

東京府美術館は岡田信一郎設計。今の東京都美術館は建物入口が下って入るのに対し、この東京府美術館は階段を上って建物に入る設計になっています。

〈東京都美術館の模型〉

【東京文化会館も前川國男設計】

帰りはJR上野駅公園口まで向かう間に、同じく前川國男さん設計の東京文化会館とル・コルビュジエ設計の国立西洋美術館の間を通ります。なんて贅沢な空間でしょう。

とても楽しく充実の一日で、足取り軽く駅へ向かいました。

とびラーの皆さま、東京都美術館の企画してくださった皆さま、東京都、ありがとうございました。

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